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桐野夏生『東京島』と伊坂幸太郎『モダンタイムス』を読む [本]

Xmas Tree.jpg


先週末は長野の方に紅葉を観がてら温泉に入りに行ってきましたが泊まったホテルのロビーには立派なクリスマス・ツリーが、、、。もう冬が近いですね〜。朝晩めちゃくちゃ寒いですし。朝のゴミ捨て命懸けです!しかし一年たつのが早くて全く恐ろしい限りです。


東京島


最近友人から借りた桐野夏生著『東京島』を読みましたがとっても面白かったです。とある無人島に流れ着いた若い日本人男性達と中年女性一人。女性は自分の夫亡き後、島でたった一人の女として性を武器に島の若い男性陣をコントロールするのですが、段々と年を取って女の武器が使えなくなって来て、、。そこにさらに中国人の団体が流れ着き、女の取り合いの嫉妬で殺す者殺される者、村八分にされ気が狂う者、脱出を試みて失敗する者、男同士で夫婦になってしまう者等が出る中で誰がサバイバルして、誰が脱出するのか?と言うお話です。エグイ人間関係を描かせたら天下一品の桐野夏生、二日で一気に読了。これは極端な状況の話ですが、実際常識や建前と言う皮を1枚剥いだら露呈する現代社会の縮図の様にも思えたり。個人的には女性の最初の夫が衰弱死する前につけていた日記で食べたい物としてケンタッキーフライドチキンやマック、吉牛等の所謂ジャンク・フードを繰り返し夢見て書いてる部分にちょっと共感。意外と弱ってる時ってそう言う物が食べたくなるかも。あと中国人のバイタリティー旺盛な生き方に相反して弱々しく趣味に生きる日本の若者の対比にも苦笑いさせられました。


モダンタイムス (Morning NOVELS)


伊坂幸太郎の『モダンタイムス』は今3分の2くらい迄読み進めてますが、こちらも面白いです。まず表紙の畠山直哉の多分川崎の夜光みたいな工場群の写真にやられました。こちらは近未来のシステムエンジニアの男性が妻に浮気を疑われた事から、暴力奮うのが専門の脅し屋に脅されたり、とある複数のキーワードを検索した周りの人間がどんどんと陥れられたり、死んで行ったりとおかしな事象に巻き込まれ、、と言うお話です。主人公の部下はキーとなるジョン・レノンを知らなかったり、今よりネットにさらに支配されている社会だったり、近未来ってこうなってるかもなぁ〜と言う感じですが、人間の感情はあまり変わらないのかも?と思わせる感じです。まだ結末迄読んでませんが、随所にロックや映画がキーワードとして散りばめられてグイグイ読ませる何時もの伊坂節と言う感じ。しかし彼ってネット上で自分の著作について書かれた文章結構まめにチェックしてそう(笑)

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コメント 4

katsura

「ぬわに~ジョン・レノンを知らない?」って怒って、ジャック・ブラックさんが走ってきそうですが。
キースだったら、自分で殴りにきそうですけど(笑)。
by katsura (2008-11-12 17:27) 

pistacci

桐野夏生さん、これまたすごいシチュエーションの物語。
これ、はまりそうだから、ちょっと落ち着いた頃に読もうと思います。



by pistacci (2008-11-12 19:39) 

kurohani

katsuraさん
ジャック・ブラックの『スクール・オブ・ロック』辺りそう言うキャラ設定でしたっけ?彼本人もそう言う感じですね。キースは殴りに来るでしょう、きっと(笑)ジョン・レノン知らない若人が出現する頃ってどのくらい未来なのかなぁ、、。アートを志してるのにアンディ・ウォーホール知らない若人がNYに居るとはNY在住の知人が嘆いてたから、そんなに遠い未来じゃないかも!?

nice!ありがとうございました♪

pistacciさん
桐野さんの本、確かに凄いシチュエーションです、、。文明や文化が無くなった場合の人間ってこんな感じになるのでしょうか。女のエグい面もこれでもかとキツい描写があります。お時間があるときに是非♪

nice!ありがとうございました♪

だいなぼうさん
nice!ありがとうございました♪

by kurohani (2008-11-15 14:03) 

kurohani

琉那さん
nice!ありがとうございました♪

by kurohani (2008-11-19 11:51) 

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