『潜水服は蝶の夢を見る』を観る [映画]
たまたま深夜のケーブルTVで観た『潜水服は蝶の夢を見る』、現在公開中の『007 慰めの報酬』でボンドの適役を怪演しているフランスのマチュー・アマルリックが主人公を演じているのとアーティストのジュリアン・シュナーベルが監督なので興味を持って観てましたが、ヘビーな題材ながらもかなり面白かったです。
ELLEの編集長で働き盛り、人生を謳歌していたジャン=ドーはある日突然重度の脳梗塞から3週間の昏睡状態を経て全身麻痺、結果唯一身体で動くのは左目の瞼と聴覚のみ、でも思考は正常と言う『ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)』に陥ります。最初は絶望していた彼でしたが、言語療法士の編み出したアルファベットをフランス語の単語で頻繁に使う順に並べ替えて読み上げてもらい、使いたい文字に来たら瞬きでそれを伝え療法士が書き取って、、と言う気遠くなる様な共同作業を経て、とうとう20万回の瞬きによる同名のエッセイを出版するまでに至るその過程と、彼の元妻や子供達、愛人、父親、同僚、医療関係者達との関わりを描いています。自分の身体に閉じ込められると言う感覚を主人公の左目の視点からシュナーベルはアーティストらしく実験的かつ幻想的な映像で描いています。まるで水中で潜水服を着て身体の自由が効かず漂っている様な状態がメタファーとして何度も出て来ますが「記憶と想像力」が主人公を潜水服から解放したと言う下りも考えさせられました。そして周りの人々は彼の前でしゃべったり泣いたり怒ったり歌ったり忙しいのですが、主人公は声も出せず身振りも出来ず瞬きでゆっくり意思を伝えるのみ。その沈黙の存在が図らずも周りの人々の人となりをあぶり出してる様な面白さがありました。そして全身麻痺になっても結構エロ心やずるい心もあると言うリアリティーも良かったです。最後崩れ落ちる氷河が逆送りで何個も再生していく映像が繰り返し流れますが、愛だけでなく好奇心や探究心も人を再生し生き永らえさせる原動力になるのかなぁと思いました。(ジャン・ドーは本を出版してからすぐ亡くなったそうですが)マチュー・アマルリックの麻痺した後の演技が真に迫ってました。役者さんって凄いなぁ。
わたしも007観て、マチューさんが印象深かったです。出てきた瞬間、フランス人がいる、って思いましたが。
この映画も観てみたいですね。
by katsura (2009-02-20 08:52)
いつかみたいと思っています^^
by duke (2009-02-20 14:08)
katsuraさん
私もボンド役のダニエル・クレイグよりマチューさんの方が結構印象に残ったかも。典型的フランス人顔なんでしょうか。あのギョロ目がほとんど左目だけで演技するこの映画では凄い効果的でした(笑)
nice! ありがとうございました♪
dukeさん
所謂ハリウッド的に泣かせる映画と言う感じではありませんが、ジワジワと良かったです。機会がありましたら是非♪
nice! ありがとうございました♪
+Kさん
nice! ありがとうございました♪
shinさん
nice! ありがとうございました♪
ルースターズさん
nice! ありがとうございました♪
by kurohani (2009-02-21 15:19)
xml_xslさん
nice! ありがとうございました♪
by kurohani (2009-02-25 14:02)
yuki-.-さん
nice!ありがとうございました♪
by kurohani (2010-08-16 10:22)